「子供がお友達を叩いてしまいました‥」


メンタルコミュニケーションコーチ 阿部朝子です。
今回は、子育てのご質問をいただきました。

子どもが、保育園でお友達を叩いてしまいました。
でも、ただ「叩いちゃダメ!」‥と叱りつけるのも、ちがう気がします。
どのように接するといいでしょうか?


おっしゃる通り、叱ればいいってわけじゃありませんね。
(叱り方によっては、マイナスになります)

よりよく導くヒントとして、対話例をご紹介します。
どうぞ、「子供と向き合うチャンス!」ととらえて、よりよい方向へ導いてあげましょう。

子供がお友達を叩いてしまったら

もちろん、叩くのはよくないことです。
けれども、子供なりに、何か理由がありますよね。

お子さんも、とっさに手が出て、動揺しているかもしれません。
色んな想いが胸にあるはずです。
すぐ、おうちに帰って、話す時間をとりましょう。
(こういう時は、家事など後回しでいいですね)

座って、目の高さを合わせて、静かに、落ち着いて話しましょう。

 

1.状況を聴く

ママ:どうして、叩いちゃったのかな?何があったの?
太郎(子):すべり台で遊んでいたら、Aちゃんが横入りしてきたんだ‥
ママ:そっか‥ Aちゃんが横入りしてきたんだね(オウム返し)
太郎:うん。それでね ・・


まずは、じっくり話を聴きましょう。
言葉を伝え返しながら(=オウム返し)、聴いてあげてください。
オウム返しすると、子供に、「ママは話を聞いてくれている、わかってくれている」と伝わります。

 

2.気持ちを聴き、受けとめる

ママ:どんな気持ちがしたの?(気持ちを聴く)
太郎:イヤだった、横入りはダメなんだよ
ママ:そうだね。イヤだったね~。(気持ちを受けとめる)
・・・横入りはいけないことだもんね‥
・・・それで、どうしたの?

太郎:Aちゃんに「横入りダメだよ!」って言ったんだ。
   だけど、聞いてくれなくて‥
・・・横入りして、すべって、また横入りしてきたんだ‥
・・・だから、ダメだよ!って言って、叩いちゃった‥

ママ:そっか、ダメだよ!と言ったのに、横入りして‥
   すべったあと、また横入りしてきたんだ‥

太郎:ずるいよ‥
ママ:そうだね、ずるいって思うよね、
   それで叩いちゃったんだね
・・・


状況を聞くだけでなく、なぜそうなったのか(理由・気持ち)も聴きましょう。

叩いた側にも、言い分があります。
「正しい・間違い」「良い・悪い」の話は、次の段階。
まず、ジャッジせずに話を聴き、気持ちを受けとめ、わかってあげましょう。

気持ちを聞くことなしに、正しいこと(叩いてはいけない)を伝えても、子供の心に届きません。
親に怒られる、嫌われるかも‥とビクビクして、話が耳に入らないかもしれません。

だからまずは、気持ちに寄りそい、話を聴く。
そして、わかってあげる。
「わかってもらえた」と思った子は、気持ちも落ち着き、親を信頼します。
すると、親の話も素直に受け取れるようになるのです。
(叩いちゃいけないことくらい、本人もちゃ~んとわかっています)

 

3.子供のすばらしいところは、しっかり認める

ママ:話してくれてありがとう。
・・・太郎くんの気持ち、よ~くわかったよ。
   太郎くんは、横入りしないで、並んで待っていたもんね。
   ママは、太郎くんが順番を守れて、うれしいよ。
   横入りはダメだよ‥って伝えたことも、うれしいよ。

太郎:(うれしい顔)


子供のすばらしいところ・いい行いは、ちゃ~んと認めて、伝えてあげましょう

 

4.よりよい方へ導く・教える(行動の修正)

ママ:ただ、叩いちゃったのは、いいことじゃないね。
   もし、太郎くんがお友達から叩かれたら、どうだろう?
太郎:叩かれたらいやだ。
ママ:いやだよね。痛いもんね。
太郎:うん‥

ママ:Aくんは、横入りして、皆に迷惑をかけた。
   それでも、Aくんを叩いてはいけないの、
   何があっても人を叩いてはいけないんだよ!(キッパリ)
   わかるかな?
太郎:わかる‥
ママ:じゃあ、叩くんじゃなくて、どうしたらいいと思う?
太郎:・・・
(子供の考えも聞きながら、よりよい方法を教えていく)


何があっても、人(心・体)を傷つけてはいけない。
‥このことは、しっかり教える必要がありますね。

そして、叩くのではなく、どうしたらいいのかを具体的に教えてあげましょう。
(たとえば、「次は、先生にどうしたらいいか聞いてみよう」等)

 

5.フォロー

ママ:じゃあ、もう1度、確認するよ。
   もし今度、お友達が横入りしたら、どうするんだっけ?
   横入りしないで!って言っても、聞いてくれなかったら‥
   叩くんじゃなくて・・
太郎:・・叩くんじゃなくて、先生に言ってみる!
ママ:うん、そうしてみよう。   
   明日、Aちゃんに「叩いてごめんね」って言えるかな?
太郎:言える!

 

ママ:それと、Aくんには、横入りしないように、先生がお話してくれたって。よかったね。

ママ:あとね、よ~く覚えておいてほしいことがあるの。
  太郎くんがお友達を「叩いたこと」は、いけないことだったね
  でも、ママが太郎くんのこと大好きなのは変わらないからね。
  何があっても、ママは太郎くんが大好きだからね!
太郎:うん!^^
ママ:よし、この話はおしまい。ご飯にしよう!^^


子供は親に注意されると、親に嫌われるのではないかと不安になりがち。

あくまでも「よくない行動」を修正するだけ。
あなたのことは大好き(=「あなたが悪い子」なわけではない)
‥これを伝えてあげてください。

子供の心が安定します。
(健全な自信がはぐくまれ、人間関係もうまくできる子になります)

 

声かけは肯定文で!

しばらくの間、登園時に声かけするといいでしょう。

その時は、「肯定文」で伝えるのがコツ。
脳は、「否定文」を認識できないからです。

※「お友達を叩かないんだよ」と否定文で伝えると、脳には「お友達」「叩く」がインプットされるのです

なので、望ましい行動をインプットしてあげましょう。

「お友達と楽しく遊ぼう!」
「お友達と仲良くしよう!」

という感じでしょうか。

「保育園でどんな風に過ごしたい?」
と、お子さんに聞いて、合言葉を決めるのもいいでしょう。

何度言っても、お友達を叩いてしまう時は‥

もし、何度言っても、人を叩いてしまう時は、子供とじっくり向き合う必要がありますね。

考えられる要因をいくつか書くと‥

 

◆気持ちを言葉にできず、本人も苦しんでいませんか?

子供は、自分の考えや気持ちを、まだ上手に言葉にできません。
だから、つい、口より手が出てしまったり、癇癪を起してしまいます。

そんな時は、親が、子供の気持ちをキャッチし、「こういう気持ちだったのかな?」と代弁できたらいいですね。

子供も、わかってもらえればスッキリして、手が出なくなるかもしれません。
子供の気持ち(望み)がわかれば、対策も考えられます。
また、「こう言えばいいんだ」と、言葉を学ぶことにもつながります。

 

◆本人が叩かれていませんか?

たとえば‥

  • 親が躾(しつけ)のつもりで、お尻を叩いたりしていませんか?
  • お友達や兄弟から叩かれていませんか?
  • TVのお笑い等で、人を叩くのを見ていませんか?
    (間接的な疑似体験も影響します)

人は、インプットしたことを、アウトプットします。
叩かれているなら、それを解決し、本人の心を癒す必要があるでしょう。

 

◆心が不安定になっていませんか?

  • 弟妹が生まれて、親に甘えられず、悲しい‥
  • 保育園で、イヤなことがある‥
  • 親に怒られてばかりいる  等

子供の様子をよく見て、対応してあげましょう。

まとめ

人を叩くのはいけないこと。
とはいえ、叱ったり、言って聞かせるだけでは、子供の心に届きません。

今回は、ざっくりですが、対話例とポイントをお届けしました。
子供の一番の理解者・応援者となって、上手に子供を導いてあげたいですね。

 

著者プロフィール

阿部 朝子
阿部 朝子メンタルコミュニケーションコーチ
コーチング、NLP、キャリアカウンセリング、セラピーなどの学びを経て、現在は北海道北見市を拠点に活動しています。
ご相談者の悩みを解決しながら、それぞれの本来の力を発揮されるようお手伝いしています。