「親を選んできた」と聞いて、苦しくなったあなたへ

  
「親を選んできた」

そんな言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

クライアントさんから、
こう聞かれたことがあります。

「本で “親を選んできた” って読んだんです。
そうかもしれないけど、そう思いたくないというか……
なんだかイヤな気持ちになったですよね。
朝子さんはどう思いますか?」

 

私のところには、
親との関係でつらい思いをしてきた方も多くいらっしゃいます。

だからこそ、その言葉を
簡単に受け入れられない気持ちも、とてもよくわかります。

 

今日は、
「親を選んできた」というテーマについて、

私自身がどんなふうに向き合ってきたのか、
そして今感じていることを書いてみたいと思います。

 

親との関係は、人生に大きく影響する

親との関係は、
大人になってからも想像以上に影響を受けています。

いいことも、悪いことも。

子どもの頃に受け取った
親の言葉や態度、価値観や接し方は、
「思い込み」となって心に残り、
生きづらさにつながることも少なくありません。

 

たとえば、

  • 自分に自信がもてない
  • 頑張りすぎてしまう
  • 人に頼れない
  • 嫌われるのが怖い
  • 本音が言えない
  • 人の顔色ばかり気になってしまう
     

こういった悩みの背景に、
親との関係が影響していることは本当に多いのです。

 

そういうことを知ると、
親を責めたくなるかもしれません。
   

一方で、大人になると、
親にも事情があったことが見えてきて、

「親も未熟だったんだろうな」
「親なりに精一杯だったのかもしれない」

そう理解しようとする人もいるでしょう。

 

でも、
親を責めても苦しいし、
理解しようとしても苦しい。

私自身がそうでした。

 

「親を選んできた」を、私は受け入れられなかった

私が「親を選んできた」という言葉を知ったのは、妊娠中でした。

胎内記憶について書かれた本を読んだんです。

「○○だから、ママのところに来ようと思った」

そんな子どもたちの話を読みながら、
「そういうこともあるのかな」と思って、

お腹の子に、
「あなたも私を選んできてくれたのかな。ありがとう。」
と話しかけたりもしました。

 

でも、ある時ふと思ったんです。

「じゃあ、私も親を選んできたの?」

その瞬間、とても苦しくなりました。
   

「あんな経験をしたのも、自分で選んだってこと?」
「そんなの望んでないよ…」

そういう思いがわいてきて、
でも、その時は考えるのをやめました。

答えが出ることではないと思ったからです。
   

ただ心のどこかで、
「もしそうだとしたら、どういう意味なんだろう?」

そんな問いだけは残っていました。

 

親との関係に向き合って、人生が変わり始めた

私が親との関係性に向き合おうと思ったのは、
子どもが生まれてからです。

自分が苦しかったからこそ、
同じ思いだけは子どもに味わってほしくなかった。

なのに、親と同じことをしている自分に気づいて、怖くなったのです。

「このままではいけない」
「でも、どうしたらいいんだろう」

そんな不安から、子育て本をむさぼるように読みました。

 

学ぶ中で気づきました。

私が自分に自信が持てないことも、
人の気持ちに敏感なのも、
言いたいことを言えないのも、

「私の性格だから仕方ない」
と思っていた色んなことが、

実は、子どもの頃の経験と深くつながっていたのだと。

 

「こんなに影響を受けていたなんて…」
正直、親への怒りが込み上げてきました。

 

でも、私はその怒りを
持ち続けたいわけではありませんでした。

苦しかったからです。

そして何より、
私は変わりたかった。

自信を持ちたかったし、
生きづらさから解放されたかった。
   

すると、
「原因があるってことは、私は変われるのかもしれない。」

そんな考えが浮かび、
なんだか希望に感じたんです。
  

自分を変えることに力を注ごう。

そう思った私は、
傷ついた気持ちを癒し、
怒りや悲しみを解放していきました。

 

そして自分の子どもには、
私が子どもの頃にしてほしかったことをしていきました。

たくさん抱きしめ、
否定せずに受けとめて、

「大好きだよ」
「生まれてきてくれてありがとう」

そう伝え続けました。
   

そんな時間を重ねる中で、
不思議なことが起きました。

ふと、幼い頃の私が笑っているイメージが浮かんだのです。

子どもにかけている言葉が、
自分の心にも届いていたんだな、と思いました。

 

そうして少しずつ気持ちがラクになり、
ガマンや生きづらさから解放されていくと、

親へのわだかまりも、
いつの間にかやわらいでいたのです。
   

はじめから、
「親を許そう」
と思っていたわけではありません。

ただ、自分を癒していった結果、
親に対する気持ちも自然と変わっていったのです。
   

「癒すことで、人生も、人との関係性も、こんなに変わっていくんだ」

そう実感しました。

そして、それだけではありませんでした。

 

苦しみは、人生のギフトにも変えられる

もう一つ、大きな気づきがありました。

たとえば、
人の顔色をうかがってしまったり、

人の気持ちや空気を、
無意識に敏感に感じ取ってしまうところ。
  

それは、幼い頃、
親から怒られないように、
嫌われないように、と身につけた処世術。

そして、そのクセが残ったことで

いつも周りを気にして、
周りに合わせて、
自分の気持ちは後回し。

そういう苦しい生き方になっていたわけですが…

 

でも、心の傷を癒し、
自分を大切にできるようになるにつれ、
こうとらえられるようになっていきました。
  

人の気持ちに敏感なのは、
相手の気持ちを感じ取り、理解する力にもなっている、と。

そして今では、その力が仕事にも生きています。

理解できるからこそ、
その人の立場で一緒に考え、
その人に合ったサポートを届けられる、

そう思ったんです。

 

だから今は、

「この親じゃなかったら、大好きな今の仕事に出会えていなかったかもしれない」

そんなふうにも感じています。
  

もちろん、苦しかった経験を
「よかった」と言いたいわけではありません。

でも、その経験と向き合い、
意味を見つけていくことで、

苦しみは、
その人だけの強さや優しさへと変わり、
人生のギフトになっていくこともある。
  

自分自身の経験を通して、今はそう感じています。

 

「許す」とは、自分が自由になること

こうして文章に書くと、
順調に変わったように思えるかもしれません。

でも実際は、そんなに簡単ではありませんでした。

怒りがぶり返すこともありました。
悲しみにおそわれることもありました。

だからこそ、必要な時には
信頼できる専門家のサポートも受けながら、
少しずつ自分自身と向き合っていきました。
  

だから私は、

「すぐ親を許しましょう」
とは言えません。
   

そして、
「許す」という言葉も慎重に使いたいと思っています。

なぜなら、“許す”が、

「親のしたことを水に流すこと」
「嫌だったことを忘れること」

として受け取られてしまうことがあるからです。

 

でも、私が思う「許す」は少し違います。

親との関係でできた傷や思い込みに
縛られ続ける状態から、自分を解放していくこと。

つまり、
自分が自由になること です。
   

親の影響を受けたまま、
被害者・犠牲者として生きるのではなく、

自分の人生の主体者として生きていきたい。

そう思って、私は向き合ってきました。

 

自分が自分らしく生きることを、自分に許す。

自分をしばりつけていた思い込みや傷から
自由になることを、自分に許す。
  

そう思って、少しずつ、
自分の人生を自分の足で歩いている感覚を取り戻してきました。
  

私にとって「許す」とは、
親のためというより、自分が自由になることだったのです。

 

親との関係に向き合うことで

今の私は、

「親を選んできた」
と信じる必要はないと思っています。

そう思ってもいいし、思わなくてもいい。
何が本当かなんて、誰にも証明できないものですから。

 

それよりも、今、
「親を選んできた」という言葉が気になっているとしたら、
そこに何か意味があるのかもしれません。
  

少なくとも私自身は、
その問いをきっかけに親との関係を見つめ直し、
自分と向き合うことになりました。

そして、人生を大きく変えることにつながりました。
  

親との関係に向き合うことは、
自分の人生を取り戻すための
大切なプロセスになると感じています。

親を責め続けるためではなく、
親を正当化するためでもなく、

自分自身を自由にするために。

 

もちろん、無理に向き合う必要はありません。

親との関係性に向き合うことは、
ときに、とてもハードです。

不安や迷いがあるうちは、
むしろ向き合わないほうがいいと思います。  

苦しくなるなら、
今は距離を置いて、自分の心を守ることを優先したほうがいいです。
  

そして、
「向き合おう」という気持ちになったなら、
その時がタイミングなのだと思います。
  

一人で抱えなくても大丈夫です。

心の深い領域を扱うからこそ、
安心できる環境で、必要であれば専門家の力も借りながら、
少しずつ進めていけばいいと思います。
  

あなたが、
過去にしばられずに、
自分らしく、自由に生きられるように。

 

もしも今、
親との関係に苦しさを感じているなら、

この記事が、
自分の人生を取り戻すための
小さなきっかけになれば、うれしいです。

 

 

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著者プロフィール

阿部 朝子
阿部 朝子メンタル&ライフコーチ/ヒーラー
コーチング・NLP・心理療法・スピリチュアルを融合したアプローチで、根本からの解決をサポートしています。
悩みを手放し、本当の自分らしさと喜びに出会えるよう伴走しています。