「なんだかうまくいかない…」~その理由、”言葉の使い方”にあるかもしれません

「また、ミスしちゃった~」
「もっと自信を持って進みたいのに、やっぱり不安になる…」

そんなふうに感じたこと、ありませんか?

 

一生懸命やろうとしているのに、思うようにいかない。

やる前から不安になったり、
失敗したときのことを考えてしまったり──。

でもそれ、あなたのせいではないかもしれません。

実は私たちの“考え方”や “使っている言葉”には、
気づかないうちに身についた“無意識のクセ”があるんです。

  
今日はそんなお話を、
2つの身近なエピソードからお伝えしてみたいと思います。

 

プロ野球選手の言葉に、ハッとしたこと

私はプロ野球が好きなんですが、
ある若手ピッチャーのインタビューがとても印象的でした。

記者から
「好調の要因はなんですか?」と聞かれて、彼はこう答えていたんです。

 

マウンドで、あれこれ考えないことかと思います。

去年は、“フォアボールになったらどうしよう”と頭によぎって、
結局フォアボールになってたんですけど、

今年は、“次はどこに投げるか”だけを考えているんです。

そしたらフォアボールも減ったし、調子もいいんですよ・・・

 

すごくシンプルだけど、本質的だと思いませんか?

「○○になったらどうしよう」という意識は、脳にそのイメージを刻んでしまいます。
だから、かえって起きてほしくないことが起きてしまう。

反対に「本当はどうしたいか」に意識を向けることで、行動も、結果も、変わっていく。

まさに、脳の仕組みにかなった行動をしているな~、と思いました。

 

「緊張しないで」の言葉が、逆効果になる理由

もうひとつ、
最近オブザーバーとして参加した研修の場面でも、それを実感する出来事がありました。

 
ある新人講師の方が、はじめのあいさつでこう話していたのです。

 

皆さん、緊張すると思いますが、緊張しなくていいですから。
…そう言っても、緊張しちゃうと思いますけどね

 

気遣いの言葉だということは、伝わってきました。

ですが、会場の空気が少しどよんとして、
参加者の表情がかたくなっていくのを感じたんですね。

 

実はこのような
「緊張しないで!」といった言葉、
脳にとっては“逆効果”だったりします。

  
なぜなら、
脳は「否定形」を理解できないから。

 

たとえば、

「パンダがバナナを食べているところを想像しないでください」
と言われたら──

きっと、多くの人が
“パンダがバナナを食べている様子”を思い浮かべてしまうはず、、

 

つまり、
「緊張しないで」と言われると、
脳は「緊張」という言葉をキャッチしてしまうわけですね。

そのため、無意識のうちに“緊張”が強化されてしまうのです。

 

じゃあ、どう声をかければいいの?

「じゃあ、なんて言えばよかったの?」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

たとえば私だったら、こんなふうに話すかなと思います。

 

緊張しちゃうかもしれませんが、大丈夫ですよ…
ここは安心して参加していただける場なので、、

では、ちょっと肩の力を抜いて、深呼吸してみましょうか…

 

まずは、「緊張すると思います」という言い方を
「緊張しちゃうかも」とやわらげることで、
脳(潜在意識)に「必ずしもそうとは限らない」というメッセージが伝わります。

そして、「緊張」という言葉を繰り返すのではなく、
「安心」「大丈夫」「リラックス」といった
望む方向の言葉に言い換えることで、意識や感覚が自然とそちらに向いていきます。

 
あとは言葉だけでなく、心と体をゆるめる行動──
深呼吸とか、肩の力を抜くなどをやさしく促すのもいいですよね。

 

「どうなりたくないか」より「どうなりたいか」を

整理しますと、

「望まないこと」ではなく
「望むこと」に意識を向けることが、とても大切なんですね。

 

「失敗しないように」ではなく
「丁寧にやろう」

「怒らないように」ではなく
「やさしく伝えよう」

「空回りしないように」ではなく
「落ち着いて進めよう」

 

こうやって、言葉をポジティブなかたちに変えるだけで、脳の焦点が変わります。

すると、それに合わせて自然と行動や結果も変わっていくんです。

 

言葉は小さな第一歩。すぐ変えられる「意識のスイッチ」

言葉って、私たちの
「無意識のクセ」が出やすいところでもあります。

それって逆に言えば、
一番身近で、すぐに変えられるものでもあるということ。

「こんなふうに言ってみよう」
「こういうふうに考えてみよう」
「こんなふうにやってみよう」

 
そんな小さな意識の切り替えが、
あなたの脳と心に届き、望む未来へと自然に歩み出す力になります。

 

あなたも“望むほう”に意識を向けてみませんか?

「また、ミスしちゃった~」
「もっと自信を持って進みたいのに、やっぱり不安になる…」

そんな思いがあるとしたら、
それは、”望まないほう” に意識が向いていたのかもしれません。

言葉の使い方のクセや、
心の奥にある無意識の思考パターンに気づいて整えることは、
あなた本来の力を取り戻す第一歩になります。

 

”望むほう”へ。
できるところから意識してみていただけたら、と思います。

 

 

著者プロフィール

阿部 朝子
阿部 朝子メンタル&ライフコーチ
メンタル&ライフコーチ/ヒーラー。
コーチング・NLP・心理療法・スピリチュアルを融合したアプローチで、根本からの解決をサポートしています。
悩みを手放し、本当の自分らしさと喜びに出会えるよう伴走しています。